以下には、食物アレルギーについての記載があります。症状の出方には、個人差がありますので、あくまで一般論としてお読みください。
以下もご参照ください。
皆様、こんにちは。Aiです。
以下、心身の症状の背景に食物アレルギーの関与が疑われる場合に、当院でお勧めしていることをまとめてみました。
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日本では現在、アレルギーが増えていると言われています。心身の症状の背景に食物アレルギーが疑われる場合、これまでは何にアレルギーがあるか調べ、その食材を食事から抜く、ということが一般的でした。
しかし、最近では、そのようにしていると、アレルギーになっている食材が多すぎて、食べられるものがとても少なくなってしまうことがあります。また、食材だけでなく、添加物等にアレルギーがある場合でも、用いられている食材を探って除いていくだけだと、食べられる食材がとても減ってしまうことがあります。
すると、栄養に偏りが生じることがあり、逆に体調をくずす危険もあります。
当院では、食物アレルギーが疑われる場合、治療のためには、順番があると考えており、次のステップを踏むことをお勧めしています。
ステップ 1.
最初に、ご自身のタイミングで覚悟を決めて、100%オーガニックの食生活(100% organic diet)を試されることをお勧めしています。
まず食材を100%オーガニックに変えてみて、食材の栽培・飼育・製造の過程で、人為的に加えられたもの(例えば、R基準に記載したような人為的に操作されたもの。以下、人為的なもの、と記載)にアレルギーがあったのかどうか、明らかにするためです。
オーガニックに食を変えると、アレルギーが改善することが知られています。また、100%オーガニック食生活に変えると、アレルギーだけでなく、体調が大きく改善することが知られています。ですが、ずっと上向きに改善し続けるというよりは、しばらくすると、ある程度改善の程度に目途が付き、改善のカーブがフラットになり、体調が落ち着いてきます。その回復のカーブを再び上げるには、個々の食材の栽培方法・飼育方法を見直し、種を農薬による種子消毒しているものから、消毒なしの種を選んだり、堆肥の成分や飼料に人為的なものが入らないものを選んだりすることが役立ちます。そのようにしながら、オーガニックの純度を上げ、回復の様子を見ていきます。
ステップ 2.
その先に、さらに体調が上がった状態で、再び体調が落ち着き、100%オーガニック食生活の体調改善のピークがやってきます。
その時点で、アレルギーが疑われる食材について、一つ一つ食事から抜いて2週間ほど体調の変化をみたり、単品で食べてみて、体がどのように反応するか見ていきます。アレルギー検査も有用ですが、保険診療で行うと項目が限られていることがあるので、検査だけに頼らず、一つ一つ体の反応を見ながら探っていきます。
100%オーガニックに食を変えていくと、五感が回復してくるので、食材に対する体の反応が繊細にわかるようになってきます。このことも、ステップ 2で体の声を聴くには有利に働きます。
(消費者のレベルで)できうる限りオーガニックの純度を上げた状態で食物アレルギーを調べていきます。ですので、この時点で個々の食べものにアレルギーが起きていることがわかったら、それが体様の声であった、と受け入れることができます。
その食材に思い入れがあったり、完全に手放すことが難しいと感じたら、「今は、この食材をお休みしてみよう。」と自分に話しかけ、一時的に手放してみて、自分の心と体がどのように変わるか様子を見ることもできます。
そのプロセスを見ていると、人為的なもので生じているアレルギーと、純粋に食物アレルギーで生じるアレルギーの出方、症状や強さには違いがあることに気づかされます。
これは個人的な印象ですが、個人差はあるものの、人為的なものが原因で生じている食物アレルギーは、非常に強く、免疫系をかき乱し、日常生活を大きく損なうほどのものになりうる印象があります。それが、純粋に食べものの成分が原因で生じている食物アレルギーにも影響を与えていると推測されます。
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