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連載期間: 2018年11月22日(木) - 2019年02月10日(日)
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先日、所用で海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)をインターネットで調べていました。
そうしたところ、私にとっては意外なことがわかりました。
2011年以降現在までの間に前世療法に関心を持って英語で書籍を著している医師は、全員精神科医の男性で、米国在住の医師でした。そして、一般的に知られているのは、三人でした。その三人とは、以下の先生方です。
1. Brian Weiss,
MD
2. Jim Tucker,
MD
3. Adrian Finkelstein,
MD
一人目は、前世療法で知られるブライアン・ワイス先生です。1988年から現在に至るまでの30年間、前世療法を治療に用いたことについて書かれた書籍という点では、ブライアン・ワイス先生が最も知られています。30年前に出版されたワイス先生の処女作、
"Many Lives, Many
Masters(邦題:「前世療法」)"はいまだにベストセラーで、2018年11日22日付のAmazon.com ”Occult
Astral Projection” 部門では、一位になっています。改めて、ワイス先生の功績の大きさに驚かされます。よろしければ、「【2018年4月ご来日】ブライアン・ワイス先生のご来日について
4」もご参照ください。
ワイス先生の最新の書籍 “Miracles
Happen”
は、2012年に出版されました。邦訳では、「奇跡が起こる前世療法」や、このタイトルを改題した「奇跡は起こる」として知られています。
私が意外だなぁ、と思ったのは、スピリチュアルなことには、一般的に男性より女性のほうが関心を持ちやすい傾向にあるからです。医師の人数の点で言えば、米国でも、従来男性医師のほうが女性医師よりも多かったので、それを反映している可能性があります。
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前世療法で知られるブライアン・ワイス先生は、前世の記憶を治療に用いています。前世療法センターのホームページより、「前世療法における前世の取り扱いについて」もご参照いただければと思いますが、治療に用いる際には、前世の記憶は必ずしも実証(証明)される必要はありません。
一方、米国ヴァージニア大学の精神科医ジム・タッカー医師(Jim B.
Tucker M.D.)は、子供の前世の記憶を、実証レベル(evidential
level)で研究しています。
ジム・タッカー医師は、このフィールドの第一人者である精神科医イアン・スティーブンソン医師(故人)の仕事を引き継ぐ形で、チームを率いています。
2013年に”Return to Life:
Extraordinary Cases of Children Who Remember Past Lives” を出版し、ニューヨーク・タイムス・ベストセラーになりました。邦訳は先月、2018年11月に「リターン・トゥ・ライフ ―
前世を記憶する子供たちの驚くべき事例」というタイトルで出版されています。
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「海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)2」の続きです。
これまでの記事もご参照ください。
「海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)」
イアン・スティーブンソン先生は、タイ、スリランカ、ミャンマー、インド、トルコ、レバノン等世界中の子供たちのケースを調査しました。興味深いケースは「前世を記憶する子どもたち」等の著書にまとめられています。ヴァージニア大学で行われた、イアン・スティーブンソン先生のこちらのレクチャー(英語のみ)では、研究のまとめが紹介されています。
また、こちらのタッカー医師のレクチャー(英語のみ)をご参照いただきたいのですが、American
Journal of Psychiatry、JAMA (Journal of American Medical Association)といった世界的な科学研究雑誌もスティーブンソン先生の書籍についてレビューを出したほど、その研究は西洋医学界でも敬われていたそうです。
しかし、この研究への主な批判としては、調査対象となった子供が住んでいる国では、輪廻転生が文化や思想の中に含まれているということでした。子供が生活の中で、輪廻転生について見聞きしたことを話しているのではないか、という批判です。そのため、スティーブンソン先生はその後、輪廻転生の思想の影響が少ないヨーロッパのケースに着手しています。また、タッカー先生は、同様の理由で主にアメリカの子供たちを対象に調査しています。
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ジム・タッカー先生は、以前の記事「書籍のご紹介「ぼくはのっぽの大リーガーだった
― 前世記憶をもつ野球少年の、真実の物語」(全2話)でご紹介した、クリスチャンくんの前世、大リーグの伝説的野球選手であるルー・ゲーリックの記憶の実証にも関わっています。詳しくは、「ぼくはのっぽの大リーガーだった」第13章「名医が町にやってくる」をご参照ください。
輪廻転生の実証研究についての書籍がベストセラーになる時代なのですね。
近年の調査では、米国では、約4人に1人が輪廻転生を信じると答え、また、米国のキリスト教徒の約4人に1人が輪廻転生を信じると答えているとのことです(*)。
現代のキリスト教の教義では、一般的に輪廻転生を否定するため、この数字は非常に印象的なのです。よろしければ、以前の記事「"The Book of Andrew: A
Past-Life Memoir"2」もご参照ください。
また、日本でも、約3人に2人の女性、約3人に1人の男性が輪廻転生を信じると答えています(**)
時代は急速に進んでいますね。
皆様の参考になれば幸いです。
*”25 percent of US
Christians believe in reincarnation. What’s wrong with this picture?”をご参照ください。
**「“宗教的なもの”にひかれる日本人」をご参照ください。
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さて、「海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)」でご紹介した最後の精神科医、エイドリアン・フィンケルステイン医師(Adrian
Finkelstein, MD)のご紹介です。
先生は、イスラエルのご出身で、ホームページによると、現在、米国カリフォルニアのビバリーヒルズで開業されています。
ワイス先生より3年早く、1985年には、前世療法についての本を出版されています。"Your Past Lives and
the Healing Process"
という著書です。
先生の業績を特に際立たせている著作は、"Marilyn Monroe
Returns: The Healing of a Soul" と
"By Love Reclaimed:
Jean Harlow Returns to Clear Her Husband’s Name"
"Marilyn Monroe Returns: The Healing
of a Soul"は、1950年代の米国のセックス・シンボルであるマリリン・モンローの前世の記憶を思い出したとされる女性患者様のお話です。
その女性の名前は、シェリー・リア・レアード(Sherrie Lea
Laird)さん。シェリーさんは、カナダ人の女性シンガーで、上位チャートにランクインも果たしている方なのだそうです。
"By Love Reclaimed: Jean Harlow
Returns to Clear Her Husband’s Name"は、ハリウッドで1930年代のセックス・シンボルとして知られる女優 ジーン・ハーロウ(Jean Harlow)の記憶を思い出したとされる女性患者様のお話です。本書では、前世のフィンケルステイン先生との間に起きたことを中心にお話が進んでいきます。
この女性の今世の名前はヴァレリー・フラニック(Valerie
Franich)。この本の共著者でもあります。"By Love Reclaimed"は、2012年秋のThe Pinnacle Book Achievement Awardを受賞しています。
著名人の生まれ変わりの記憶があると信じている方はおられますが、セラピストは基本的にその裏付けには慎重です。「海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)2」でご紹介したジム・タッカー先生も、慎重に扱っておられます。詳しくは、「リターン・トゥ・ライフ ―
前世を記憶する子供たちの驚くべき事例」をご参照ください。
この方々が思い出した記憶が、本当にマリリン・モンローやジーン・ハーロウの記憶なのか、ということについては、個々のご判断にお任せしたいと思います。ここでは、私の個人的な意見を述べさせていただきますね。どうぞ予めご了承ください。
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こちらのBBCのドキュメンタリーでは、フィンケルスタイン先生とシェリーさんに取材をしています。
このドキュメンタリーによると、シェリーさんは長年マリリンの生まれ変わりのような思いを感じ、自殺しようとしたことなどがあったそうです。それがきっかけで先生のクリニックを訪ねたのだそうです(*)。私はシェリーさんにお会いしたことはないのですが、この切羽詰まった感じは、単に自分が著名人の生まれ変わりだと信じているだけのケースとは様子が少し異なるように感じられます
(あくまでも私の経験上の話ですが)。
また、このドキュメンタリーには、フィンケルスタイン先生がシェリーさんを催眠状態に誘導して、マリリンの記憶に戻す場面が収録されています(**)。
前世の自分に戻ると、顔つきや表情が今世と変わることが多いです。微妙に骨格が変化し、当時の自分の顔かたちになるのです。目つきも声も変わることがあります。今世で女性の患者様が 言葉のアクセントが変わることも。不思議ですね。催眠療法中には目を閉じているのでわかりにくいこともあるのですが、診察が進むとよりはっきりしてきます。
この動画を見ていると、シェリーさんが前世に戻ると、横顔が変わるように感じられます。なんとなく、唇のあたりがマリリン・モンローに見えなくもないのです。声も変化していますね。
また、ケネディ大統領との関係について、「私はジャックに怒っている。彼はひどい人」(”I am
angry at Jack. He was horrible.")と言って涙するシーンも出てきます。
前世療法で知られるブライアン・ワイス先生は、前世の記憶であることを示唆する特徴の一つとして、思い出したものにトラウマとなるような経験が含まれていることを挙げています。
ですから、フィンケルスタイン先生が、シェリーさんは、マリリン・モンローと何らかのご縁があるのかもしれない、と考えたことも、不思議ではないと思います。
* この動画の
1分46秒頃をご参照ください。
** この動画の 2分27秒頃をご参照ください。
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"By Love Reclaimed:
Jean Harlow Returns to Clear Her Husband’s Name"では、フィンケルスタイン先生が、前世ではジーン・ハーロウの二番目の夫で、プロデューサーのポール・バーン(Paul
Bern)であったことが明かされています。
(以下ネタバレがあります。ご注意ください)
ジーンとポールはは二か月間の短い結婚生活の後、死別しています。現在、ポールはピストル自殺したといわれています。しかし、それはハリウッドがポールの殺人の事実をもみ消した結果であること、ハリウッド一ナイスな男と言われたポールに事実とは異なる不当な汚名を着せたこと等が、前世療法や調査によって明らかにされていきます。ジーンは、夫の汚名をすすぐために輪廻転生して戻ってきたのです。
科学者でもあるフィンケルスタイン先生は、自分がポールの前世を受け入れるのに1-2年かかったとお話しされています(*)。
また、現在二人は一緒に仕事をする間柄で、フィンケルスタイン先生は精神科医としてのキャリアの他に、プロデューサーでもあるそうです。ポールはプロデューサーでしたが、精神的なことや超自然的なことにも関心を持っていたそうです(*)。
フィンケルスタイン先生が、ハリウッドのセレブの邸宅のあるビバリーヒルズで開業をしているのも、セックス・シンボルとして活躍した二人の女優の記憶を思い出した患者さんとの出会いがあったのも、不思議なご縁です。
前世でプロデューサーとしてのキャリアを全うできなかったポールが、今世の精神科医としてのキャリアをベースに前世の経験を克服して、もう一度プロデューサーとしてのキャリアに就いたのだとすると、筋が通ります。
もしかしたら、マリリンも、ジーンも、ポールも、前世の課題を解決するために、今世に戻ってきたのかもしれません。そうだとすると、次の学びのために、先に進んでいるんですね。
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以上、海外の医師の書いた前世関連の書籍(英語)をご紹介させていただきました。
前世についての書籍が全米でベストセラーになったり、前世療法が医療に取り入れられたり、と世の中はかなり早いスピードで動いています。ですから、今後ますます、前世の記憶や輪廻転生の仕組みなど、スピリチュアリティ―に関連した分野の研究が進むと考えられます。
楽しみですね。
* こちらから、ラジオインタビュー "Mantz and Mitchell Radio Interview
August 5, 2017 - an interview with Adrian Finkelstein, MD"をご参照ください。 ヴァレリーさんとフィンケルスタイン先生が、"By Love Reclaimed" にまつわる話をしています。示唆に富んだインタビューだと思います。